温度から見た宇宙・物質・生命−ビッグバンから絶対零度の世界まで−
ジノ・セグレ、桜井邦朋[訳]
ブルーバックス 講談社() \1,100
ISBN:4-06-257442-X

温度から見た宇宙・物質・生命 表紙

読んだ目的は、温度とエネルギーの関係をより良く理解するためです。

人間の体温は何故37℃なのか、灼熱・乾燥のサハラ砂漠や酷寒の南極では どうやって体温を保つのかという所から始まって、温度の測定の歴史、 エネルギーと温度の熱力学的関係が平易に説明されています。地球と温度については、 7.5〜5.5億年前にスノーボールと言われる全地球凍結と、これを境に生物の大発展があったこと。 6,498万年前、恐竜絶滅の原因であるユカタン半島へ衝突した小惑星は、 直径10km、重さ1兆トン、時速4万km、水素爆弾7000万発分に相当した。 地殻にめり込んだ温度は22,000℃であった。この時、海洋生物の85%と陸上脊椎動物の70%が絶滅した。 しかし、それが我々ほ乳類の発展の端緒になった。地球の中心温度は測れないのに、 太陽の中心温度は誤差1%以内で、1,570万Kと正確に測定出来る。 これは、太陽内部から来るニュートリノを観測して求められる。 1987年2月23日に超新星爆発によるニュートリノが世界の3カ所の検出器で観測された、日本では勿論、 神岡鉱山のカミオカンデであるが、たったの11個であった。他は8個と5個。 この超新星の中心核の温度は1000億Kである。ビッグバンからその後の宇宙の温度の変遷、 原子の形成など、地球科学、生物学、化学、物理学、宇宙天文学、科学史などこの物理学者の博識には恐れ入る。 10億年後に、小惑星を使って地球の軌道を変えて太陽最後の灼熱から地球を守る手段まで書いてある。

こういう本を読んでおくと、つまらぬことにくよくよしなくなるように思う。

(溝田 忠人)