PLAN B2.0 -Updated and Expanded- Rescuing a Planet Under Stress and a Civilization in Trouble
Lester R. Brown
W.W. Norton/New York・London(2006) $16.95
ISBN:4-480-06232-7

PLAN B2.0 表紙

工学を志す我々の必読の書です。本文は、Webで公開されダウンロード自由WWW.earthpolicy.org。 Plan Aとは、今の世界経済のことで、環境破壊と衰退の一途にある。これに対して、本書に先立つPlan B(2003) (邦訳あり) が出されたが、その改定進化版です。著者は30年以上に渡り、環境問題が世界に与える影響について警鐘し続けている。 過去の文明、例えばシュメールの水管理の失敗による土壌の塩分増加、マヤの森林破壊による土壌侵食、 イースター島の森林伐採による海洋資源採取不能など、自然破壊により滅びた経験に学び、今地球が直面する事態は 文明崩壊の危機と位置づける。人口爆発、化石燃料依存による環境汚染と温暖化など具体的に危機を例示する。 石油の枯渇と高騰により、食糧資源が車の燃料(バイオディゼル油、バイオアルコール)への転換と競合する。 ハイブリッド車、高効率風力発電など省エネ、自然エネルギー利用の技術革新、各国の先進的取り組みも紹介し、 希望も示す。自然との調和無しに文明は持続しない。今の自然環境収奪の流れを、自然再生、文明発展・持続へと転換する 経済的根拠として、総予算額(Plan B Budget)は年1,610億ドルと巨大だが、世界の軍事費9,750億ドル(米1国で4,920億ドル) の1/6でしかない。一刻も早く多くの人がこのPlan B 2.0を政治家や多くの人に広め、世界の経済を転換させようと訴える。

(溝田 忠人)