スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」
小澤徳太郎
朝日新聞社(2006) \1,300+
ISBN:4-02-259892-1

スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」 表紙

素晴らしい本に出くわした。正に目からうろこが落ちる、必読の書だ。 著者はスウェーデン大使館で科学技術環境保護オブザーバーとして働いた経験から、スウェーデンの進んだ考え方が 今の日本に役立つはずであると、多くのことを紹介する。随所にある記述は、スウェーデンは日本より20-30年先を行く国であると 思わせる。日本が後追い対策的に環境問題、少子化対策等に苦慮しているのに、スウェーデンは、30年も前から科学、 学術の成果を素早く政治に応用し、問題を解明し、あるべき目標を定め、先見的・予防的に行動している。 京都議定書の6%CO2削減が達成不可能と思われる日本に比べて、それまでの努力が評価され4%増をもらっているスウェーデンは、 排出権取引無しに、逆に4%削減すると言う。この30年間エネルギー消費を増加させずに、GDPを1.5倍増にし、好景気を維持している。 人口900万人という小さな国だからと言うが、穀物自給率110%、使用一次エネルギーの30%が再生可能エネルギー (水力、風力、バイオマスなど)、原発は廃止の方向を決めている。年金問題もクリア、出生率は1.8に増えた。安心して生み、 育て、老後も安心、こんな国が作れるのである。国会議員などの選挙の投票率は80%を超える。 このような文化レベルの高さを実現した国がある。我々は謙虚に学ぶべきである。 日本で当たり前と思われている常識との違いを丁寧に解説してあり、これまでの環境問題への認識が一変する。

(溝田 忠人)