幼児期
岡本夏木
岩波新書949(2005) \740+
ISBN:4-00-430949-2

幼児期 表紙

素人が、子供の発達心理学について知りたくなった。そういうときは、先ず岩波新書に限ると思って見つけました。 文章は難しいが、示唆に富む本でした。乳児の能力を軽視するなかれ、乳児も自己を認識し、 他者を観察し経験をつむプロセスを行っている。「しつけ」の大切さ:愛する者との交流を通して、共感や反発、 受容や拒絶などの交流の中から成長に必要なルールを学んで行く。大事なことは親も共に育つということ。 好きな人から「しつけ」を受けることが大切で、知能の発達もこれなくしてない。遊びは模倣を超え、想像的にひろがって行く。 遊びの繰り返しは、身体機能と密接に関連する脳の発達、ルールや社会性の涵養にも不可欠。子供の表現が、模倣から始まり、 可能な身体機能全体を使っての表現から次第に言語へと進化し、高度な言語表現へと完成されてゆく。 この過程でも、機械・装置ではなく、人との交流が基礎である。年長者の的確なアドバイスが強い影響を与える。 自己の確立には、他者の取り入れプロセスが必要である。自分の内と外をしっかり繋ぐこと(交流)によってのみ自己が確立される。 子供はその能力を使って、高度な概念を処理している、侮る無かれ、大人は全身全霊を傾けて子供と付き合ってやれ、 人はその中にしっかりした幼児体験を抱えて初めて成長できることを忘れてはならない。

現代の多くの社会問題が幼児期の成長過程の貧困に根ざしていると指摘する。

(溝田 忠人)