国家の品格
藤原正彦
新潮新書() \680
ISBN:4-10-610141-6

国家の品格 表紙

書評

「論理的思考」は全て正しいと考える人に,その前提条件の重要性を説く. 数学者でもある著者は論理的思考のプロであるが,数学の場合はその前提条件は 公理であり万人にとって正しい前提になっているのに対して,普通に用いる論理的思考は, そのプロセスがいかに論理的であっても初期条件が間違っていると とんでもない結果を導くことを例えば「風が吹けば桶屋が儲かる」を例にあげ明快に説明している.

前提条件を間違えずに,正しい判断をするために必要なことは, 形,情緒などの日本か古しから育んできた固有の生活観・道徳観であると書いている. 法律を犯さなければなにをしてもよい,法律に若干触れても見つからなければよい, 最近頻発する事件の背景にあるものがわかるようで,暗示に陥りやすい工学系学生にお勧めです.

(進士 正人)